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現在は日本で種牡馬として供与されているアメリカニ冠馬ウォーエンブレム。
現役時代、人気薄(9番人気)でケンタッキーダービーに勝利すると、続く
プリークネスSも快勝。アメリカ三冠の期待のかかったベルモントSでは勝て
なかったものの、現役引退後は期待の種牡馬として日本に輸入された馬である。
ところがこのウォーエンブレムの現役時代、ちょっと変わったウワサが流れたことがある。
2歳時には3戦2勝。出足良くクラシック戦線に名乗りをあげた同馬も、明
けて3歳になると2回の凡走をしてしまう。走りにもまったくいいところなし
:….。このとき関係者の間には「期待が大きすぎたか」という一抹の不安が流
れ、比較的小柄の馬だっただけに3歳になってからの成長力にも疑問がもたれた。
しかしその後行なわれたレースでウォーエンブレムはまさに「馬が変わった」
ような走りを見せ、大差で圧勝劇を演じる。そして一躍クラシックへの期待が
高いトップサラブレッドになるのである。
あまりの変貌ぶりに、関係者の間からは「これが本当にあのウォーエンブレ
ム?」という疑問さえあがった。さらに続くGⅡ戦でもこれまた2着をぶつち
ぎっての大圧勝。一時の不調はなんだったんだ、とさえ思わせた。競馬のコメ
ントでも「馬が変わったように.…:」といわれたりするが、このときのウォー
エンブレムはまさにそれ。別馬のごとく強くなって現われたというわけだ。
するとアメリカの某ゴシップ誌が、大きな見出しでぶちあげた。
『ウォーエンブレムは宇宙人にさらわれた!』
内容はこうだ。
クラシック三冠の有力馬として注目されているウォーエンブ
レムは、3歳の始めに凡走を繰り返していたが短期放牧中に馬
が一変した。放牧先のC牧場は、よくUFOが目撃される土地
だが、ひょっとすると彼は宇宙人たちに一度誘拐され、何かの奮磁が起こったのではないか?
ゴシップ誌は、日本でいえばまあ東スポのような一般娯楽紙。
読むほうも「またこんなこと書いちゃって?」と、半分冗談
だと思って読んでいるから誰も本気で取り合わなかった。
記事内容にしても「昼夜放牧(恐がりを直すために行なう夜
間の放牧)の最中に、UFOからの怪しい光に吸い上げられマイクロチップのようなものを埋め込まている可能性もある」というのだからもう笑うしかない。
しかしウォーエンブレムは、その後UFO誘拐効果満点(?)
でケンタッキーダービーとプリークネスSを連続勝利、アメリカ
ダート三冠にリーチをかける。
「す、すごい。この馬は本当に宇宙人にさらわれていたのかも?」
とはいえ、残念ながら三冠目にあたるベルモントSは8着に破れて三冠ならず。
エネルギーに満ちた黒色の馬体は、まるで約皿年前に引退したサンデーサイ
レンスの再来とも称されたのである。
その後、サンデーサイレンス亡きあとの後継種牡馬として日本で供用される
ようになったウォーエンブレムだったが、種牡馬としての成績は皆さんご存じ
の通り。なぜか牝馬に対して反応せずに、交屋周憾ができ葱いという状態が続いていた。種つけ産駒は初年度から期待数を遥かに下回る状態
である。幸いに数少ないにもかかわらず走る馬はけつこうでて
きているが、最近は種つけ数もほぼゼロに近い状態になってしまっているとか……。
過度の縦射線を浴びると生殖機能がおかしく葱る。みたいな話
を聞いたことがあるが、ウォーエンブレムの種牡馬としての運
命を知ると、過去にUFOに誘拐されたというヨタ話もまんざ
らウソでもないような気になってくるのではあった:….。
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